花、葉、茎、根。まるごと楽しめる球根付きの小花
はなぞくかぞくでは、神奈川県平塚市のユナイテッドフラワーファームの平野さんの球根付きの小花を扱っています。
今回も福島県で活動をしている円谷しのぶさんに、手軽に素敵に見える飾り方のポイントを伺います。
「今回は、サイトで販売している平野さんのお花が届きました。種類別に紹介しますね。まずは赤い小さなチューリップ‘テタテタ’。こちらはたっぷり20本届いたので、琺瑯の器にバッサリ入れて、間に落ち葉を入れています」
まるで早春のお庭ですね!
「落ち葉を置くことで、土のなかから生えてきた雰囲気になりますよ。テタテタは、顔を合わせて向き合わせる、話をするという意味の単語のようです。スイセンでも同じ品種がありますが、小さな花が顔を合わせている様子がお話している印象なのでしょうね。1本生けるだけでも素敵です。球根の下に竹串を挿して、一輪挿しの口元に置いています。根は水に使っています」
これは先程のナチュラルな雰囲気とは大きく変わって、スタイリッシュですね。黒い器と赤い花のコントランストがモダンです。
「‘テタテタ’は花が大きく小さくても存在感があるので、アルミワイヤーで上から吊るしてみました。球根がついているので、お客様を迎える数時間の間だけなど楽しめる方法です。もちろん、お客様がお帰りになったら、また根をしっかり水につけましょう」
球根がついていることで、切花のチューリップとは違う楽しみ方が広がりますね。
「次はチューリップのポリクロマです。原種チューリップで、丈が短く蕾の姿もグリーンと白が素敵な花です。到着したばかりはつぼみだったので、金属製の器に並べてみました。
昔のボタニカルアートや図鑑のように。球根と根があることで、そんなイメージもいいですね。
届いて二日後には花が開きはじめてきました。その翌日に撮影したものが下の写真です。6本のポリクロマを束ねて、モノクロのセロファンで器に沈まないように包んであしらっています。セロファンは底上げの役割もしています。
ポリクロマの葉と花の色を合わせて生けています。最初に器の細い部分に石を入れて、中まで球根が入るように隙間を作りながら球根を入れて、上から倒れないように石を重ねています」
石と球根の相性もいいですね。
「そうです。思った以上に相性がいいですし、花を固定させるおもしの役割にもなります。1本で生ける時は、やっぱり竹串や楊枝を球根に挿して」
チューリップの最後の品種はタルダですね。ポリクロマより葉の色が明るく、可愛らしい感じですね。
「そうです。こちらも開いてくると、中の花色の黄色がとてもかわいいのです。これもほかの一輪挿しと同じように球根に串をさしています。そして、今の時期にぴったりの組み合わせで、タルダとサクラを合わせてみました。」
花瓶のなかに水をいれて、最初にサクラを入れて、球根が沈まないようにしています。タルダのみずみずしいグリーンの葉は、春らしい色です。あと球根付きのチューリップだと、葉が茎にしっかりついていて、バラバラにならないのもいいですね。サクラ以外の春の枝と合わせても楽しめそうですよ」
サクラのピンクと黄色が、明るい春らしいですね。球根はあまり水につけないほうがいいのですよね?
「そうです。根が水に浸かる程度がいいですね。最後は美しいムスカリです。今回はブルーと白が届きました。まずはブルーから。深い器の下半分くらいの位置までミズゴケを敷いて、そこにムスカリを入れています。小さな苗や鉢もムスカリは出回っていますが、水だけで飾った方が室内には取り込みやすいですよね。プランター風に入れています」
球根のついていないムスカリも出回っていますが、違いはありますか?
「やっぱり葉ですね。切花だと葉が花のついている茎と外れてしまいますが、球根付きだと葉もしっかり楽しめますね。下の画像は器の縁に2本置いています。こちらも串を使っています。
ナチュラルな雰囲気の器と相性がいいですね。
「白いムスカリはもこもことした形がとてもいいですね。これも石を使って花を立たせるようにしています。石は新潟の海岸で拾ってきた丸い形のもの。器は益子で見つけたものです。最初に器に石を入れて、ちょうど収まる量の球根をいれています。
石ひとつでしっかり留まるのもいうのも発見ですね。手もかからないし、いいアイデアですね。
「最後には、色々な種類を入れてアレンジしてみました。これは最初のチューリップ‘テタテタ’とムスカリをそれぞれ器に入れています。‘テタテタ’は石ではなく、小ぶりのりんごで固定しています」
花の色とりんごの色がリンクしていてかわいいですね。石以外にフルーツとは、おもしろです。
「それから、ずっと飾るというよりはインスタグラムなどの写真用にぴったりな、イギリスのアンティークのティーセットと合わせたスタイリングもやってみました」
おお!これはすごいですね。いわゆるインスタ映えにぴったり!
「長時間飾るのには向いていませんが、ホームパーティーの間だけとかなら楽しめますね。そして、また石をつかって色々と合わせてみました。タンブラーのような器に石を2個入れて、球根を置いています。こうすると咲いてきても姿がそんなに崩れず楽しめます。また球根の小さな花は光に向かって動きますが、横にしても花がしっかり上にあがるので、それも楽しいですね」
そして最後の作品です」
おお、これはリースでしょうか?
「リースのように見えますが、小鳥の水やりの台なんです。金属製で周囲がリースのような形になっていて、そこに水を入れるようになっています。その部分に水苔を敷いて、球根を置きヤマゴケをのせています。ムスカリとチューリップそれぞれ長さも異なるので、あえて頭を揃えずに配置しています。ムスカリの先端のカーブがそれぞれかわいいですよね」
春っぽいですね。花たちが春を喜んでいるようです。
「ムスカリは10本も使っていません。リーズナブルにいろいろと楽しめるのも、球根付き植物の魅力ですね」。
円谷先生、今回もありがとうございました。
【教えてくれた人】
円谷しのぶ先生 福島県出身。大学卒業後、都内の花店で働きはじめたことをきっかけに花の道へ。その後、大手花店の本社教育担当やグリーンショップ担当など幅広く活躍。現在は福島県にある自宅で、庭の花を使ったレッスンやクラフト、和ハーブの教室などを開催中。
Instagramはこちら➤https://www.instagram.com/shinobu_t_2v/
text:はなぞくかぞく編集部
—————————————————————————————————–
〚神奈川県の平野さんの生産者紹介ページはこちら〛
ここをクリック⇩
神奈川県の平野さん
〚神奈川県の平野さんの商品購入ページはこちら〛
神奈川県 平野さんの球根付きで楽しめる ムスカリブルー10本
神奈川県 平野さんの球根付きで楽しめる ミニチューリップ アソート10本
神奈川県 平野さんの球根付きで楽しめる オーニソガラム10本